素晴らしきゲームの1つ。
紹介したいのは、Wizardry 外伝 五つの試練。
このタイトルは、競技性や冗長なオープニングとは無縁。誰でも気軽に別世界でプレイ出来る。小説に近く、自身で想像する楽しみがあり、小説より少しだけ世界に関わる事が出来る。
そんな絶妙なタイトルが、Wizardry。
ただし、嗜むには作法を大切にしたい。
それは、作り手をリスペクトする事。
例えば、歴史ある美酒のように、作り手に想いを馳せてみたり、極上のミステリー小説のように、作家の思惑を読み解こうとしたりする事に近い。
難しい事はない。ただ消費するだけでなく、ただ粗探しをするのではなく、その別世界を満喫して、自身でもその世界を想像する事。
Wizardry は、ゲームではあるけれど、作品でもある。自身の想像が関わる余地が大いにあるので、その創造世界をリスペクトする作法は、大切にしていきたい。
それでは、「Wizardry 外伝 五つの試練」の紹介にいきたい。まずこれは外伝であって、亜流や派生ではない。本家本元の流れを汲むものなので、まずは大いに期待されたし。
少し本家の話をしておきたい。
本家は、さらに歴史ある名家だが、貴族さながら御家騒動が根深い。その為、本家本元 Wizardry の原典である #1〜5 は、現代に蘇る事はできないだろう。特に権利関係の騒動でもう手がつけられないそうだ。
#6〜8 は、世界観やシステムが大きく変わったもので、本家だが本元とは、若干だが毛色が違う。日本語化もされていない。しかしながら、昨年ドリコム社が版権を獲得したと報道があったので、いつかは現代日本に蘇るだろう。楽しみでしかない。
そんな、現代に蘇る事はない本家本元 Wizardry の原典 #1〜5 の流れを汲むのが「Wizardry 外伝 五つの試練」。
それが、2021年6月18日(金)現代日本に蘇る。
2021年6月17日(木)に延期との発表あり。リリース時期は未定との事。無念。
紐解いていきたい。
ファンタジー RPG で、シナリオが 5つあり、全て、暗く入り組んだ迷宮ダンジョンが絡む。ダンジョンには怪物が跋扈しており、階層を下りる毎に苛烈さを増していく。
そんな世界にある街外れの訓練場。そこで自分の分身を作る事から始まる。そして、街の酒場に赴き、仲間を募る。駆け出しパーティの出来上がりだ。
しかし、絶対に忘れてはいけないのが、我々は、生まれながらの勇者でも、神々の寵愛を受けし英雄ではないという事。簡単に遭難し、簡単に全滅し、簡単に生き返られない。ともすればパーティは灰になり、二度と帰ってこない。
だから、街に帰るまでの道のりを考えて、ダンジョンの先に進むか考えねばならない。そもそも怪物の方が強いのは当たり前。生物・種族としての戦闘力が違いすぎるし、ダンジョンでは、そこを棲家としている怪物の方が主であって、我々はただの部外者で侵入者でしかない。何もかも我々の方が劣っている。
しかし、我々は強くなれる可能性がある。装備や持ち物を吟味したり、レベルを上げる事で自分たちが出来る事を増やしていく。時にはダンジョンでレアなアイテムを拾う事もある。そうやって、じっくり、確実に、ダンジョンに馴染ませていく。
それが、Wizardry 。
ダンジョン最下層にあるものは、たどり着いたパーティだけのもの。いつか、たどり着きたいものだ。
私は、また挑もうと思う。Wizardry のダンジョンに。